茶房 山猫文庫
| 〒929-1210 | ||||||
| 石川県かほく市学園台 5-34 | ||||||
| TEL&FAX / 076-281-1151 | ||||||
| 営業時間 / 10:00~18:00 | ||||||
| 定休日 / 火曜・水曜 | ||||||
| 2012年4月 | ||||||
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| 2012年5月 | ||||||
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こんな店です
「御衣黄」が、かほく市の高松運動公園に咲いていると知人から教えられ、5月1日に観に行きました。場所が分からず園内をうろうろして、芝生広場の奥に、見慣れない黄色のサクラが咲いているのを見つけました。緑色から黄色の花をつける珍しいサクラとして、評判は耳にしていましたが、実際に見るのは初めて。一緒に行った家人も「かわいい」と感嘆していました。緑色は咲きはじめのようで、当日は盛りを過ぎたのか、赤い条線が目立ちました。品のいい可憐な花です。20本ほどあります。
しかし、この貴重なサクラですが、案内板はおろか、樹木名を示すプレートの類も一切ありません。ネットで調べる限り、北陸でこれだけまとまって御衣黄を観られるところは、ないようです。、かほく市高松では毎年4月に桜まつりがありますが、このサクラは染井吉野で、サクラとしてはさほど見る価値はありません。サクラの好きなかたなら、御衣黄が咲いていると聞けば、きっと観に出かけるでしょう。もっとPRすべきと思いますが、地元ではあまり知られていないようです。身近なよさに、地元の人は気が付かない、そんな典型的な例でしょうか。
今月初め、福島の知人を訪ね歩いた旅の帰途、ほんとに久しぶりに奥会津・三島町の生活工芸館に立ち寄りました。ここには、山ブドウやアケビ、マタタビ、ヒロロなどのツルや葉を材料に、編んだり組んだりして手作りされた工芸品がたくさん展示・販売されています。ものによっては10万円を超える作品もありますが、どれも素朴でモノトーンながら、その手わざと自然が形になったクラフトばかりで目を見張ります。買い求めた中には、山ブドウで編み組したカップとソーサーがあります。カップの中にはティースプーンまで入ってます。値段は驚くほどの安さでした。ヒロロのブックカバーもなんとも言えない手触りと風合いがあります。歳月を経て変わっていく変化が楽しみです。
三島町では毎年6月に「ふるさと会津工人まつり」が生活工芸館前で開かれます。今年は第26回として6月9日と10日。全国から自然素材を使い自らものづくりしている工人たち150人が集まります。ぜひ行きたいのですが、店があるので。
工芸館前のログハウスの店で、会津地鶏をつけ汁にしたそばを食べました。コーヒーとともにおいしかった。
先日ほぼ十年ぶりに、味噌を仕込みました。以前は2月の寒のころに作ってました。自分で作れば、それこそ手前味噌ですが、味は格別です。なにより、大豆と麹、塩だけが原料というシンプルさと発酵食品を自らつくる醍醐味があります。しかし、前の日から大豆を水に浸け、翌日は豆を煮てつぶし、麹と塩を混ぜて容器に詰めるまでの作業は手間がかかります。久しぶりに仕込もうと思ったのは、福島市在住の料理研究家、境野米子さんからいただいた新刊「あの日からのお母さんのしごと」に、「家でできるカンタン味噌づくり」が載っていたことがきっかけです。ジャガイモの種芋を買うために出かけたJAの直売所で、地元産の大豆「エンレイ」と能登の粗塩、宝達志水の麹屋さんの麹が売られていたのですぐに買い求めました。
境野さんの著書の副題は「わが子を放射能から守る知恵と工夫」です。境野さんは茅葺の古民家で自然に囲まれて暮らしていました。そんな生活が一変したのは、昨年の原発事故からです。著書の冒頭はこう書かれています。「なにが悲しいといって、孫たち来てもらえない家になってしまったことが、一番です」。原発禍による苦悩と思索の日々をつづりながら、この本には、放射能の脅威から家族を守りたいという思いがあふれれています。そして、わが子の内部被曝を防ぐ食事の秘訣と免疫力の高め方、放射性物質を排出しやすい体づくりを具体的に紹介しています。
自宅の古民家を開放するオープンハウスが3月29日から4月4日まで計画されています。川内村在住のご夫妻による陶器、絵画展も同時に開かれます。詳しくはブログ「境野米子の自然暮らし」をご覧ください。
茶房のロゴマークの作者、中村みつを画伯のポストカードが入荷しました。山や花、ベトナムをモチーフにした17種類です。どれもリリックな、ハガキとして使わずに手元に置いておきたい美しい一枚です。1枚150円。今回は1種類につき10枚だけの限定販売です。さっそく、9枚、4枚と買い求めれるお客様が相次ぎ、好評です。中村画伯の重要なモチーフとして月があります。今回のポストカードでも、月がさりげなく描かれているものが何枚かあります。卓上に飾ってもよし、恋人や友人に宛てた一枚に使えば、あなたの思いは相手に思いのほかの余韻を伝えることになるでしょう。
昨年12月からtwitterを始めたので、日々のことは、ついそちらでつぶやいています。Facebookとも連携しているので、このブログにアップすることが二の次になってしまいます。FBでも少し紹介したのですが、福島の温泉のよさをぜひ知っていただきたいと思い、ダブりますが書いておきます。
先日、福島市の高湯温泉にあるロッジ「静心山荘」の奥さんが、大学同期の女子会で金沢・能登を旅した折、茶房に立ち寄られました。高湯温泉は、吾妻連峰を走るスカイラインの途中にある硫黄系の温泉です。福島市の中心部から40分ほど。福島に転勤でいたとき、この山荘を知り、何度か訪ねました。なんといっても山荘の温泉が気に入ったのです。小さな浴場ですが、板張りの床に木の浴槽。窓を開ければ、木々を渡る風が入ってきます。あまり人に知られたくない、自分だけの温泉にしておきたい宿です。しかし、原発事故で、福島の温泉地はやはり宿泊客が減っています。こんな時だからこそ、少しでも多くの人に、福島の温泉を楽しんで欲しいと思います。福島県内には、一度訪ねればまた行きたくなる、いい温泉がたくさんあります。例えば、木賊、甲子、野地、玉梨、微温湯(ぬるゆ)温泉などです。
静心山荘は、小さな宿ですが、温泉の良さに加え、奥さんの手料理も魅力です。料金も民宿並みです。2年前にも行きましたが、「今年の夏にも行きますよ」と奥さんには先日伝えました。
12月に漬けた、たくあんを桶から出して食べてみました。美味です!砂糖を一切使わず、塩と干した茄子の葉、リンゴと柿の皮だけで漬けました。口中に広がる甘味は、干した大根のうまみです。コリコリとした食感もたまりません。自画自賛ですが、箸が止まらなくなります。大根は、埼玉北部産を8キロ。赤城おろしの寒風で干したというキャッチフレーズに惹かれ、ネットで注文しました。赤城おろしとは、生まれ故郷の群馬を代表する赤城山から吹き降ろす冬の季節風です。干した茄子の葉は、香りづけです。群馬では師走になると、たくあん漬け用に、干した茄子の葉をふりかけ状にこなごなにしたものが売られます。
自家製たくあんは、茶房のカレーに添える香の物として、出す予定です。
さて、今年は「東西食文化考」として、折々、このブログに書いてみるつもりです。初回は「汁粉とぜんざい」です。汁粉はほとんど食べない左党ですが、北陸では粒餡の汁に焼き餅をいれたものを「ぜんざい」(善哉)と呼びます。これを知ったときは、関東の人間としては、「それは違うでしょう」と違和感を覚えました。関東では粒のないないこし餡を使っても、粒餡を使っても「お汁粉」です。日経新聞の1月14日付別刷り「NIKKEIプラス1」のコラムでは、こし餡のものは「御前汁粉」、粒餡を使ったものは「田舎汁粉」と呼ぶとありました、いずれにしても広義では「汁粉」です。しかし、関西では、一般的に前者を汁粉、後者をぜんざいと呼ぶことを知りました。つまり、北陸は、関西と同じ呼び方なのです。そのコラムによれば、関東でぜんざいといえば、餅に汁気のない粒餡をかけたものであり、これを関西では「亀山」と呼ぶようです。妻は北陸生まれですが、この亀山という言葉は聞いたことがないと言います。「粒餡を使ったものは汁粉ではなくてぜんざいだ」とむきになって言い張っていた富山の甘党男子がいましたが、関東生まれにすれば、それこそぜんざい未聞、いや前代未聞のことなのです。
大晦日から元日に日付が変わった夜中、薪ストーブの開閉扉のガラスが割れるトラブルで新年を迎えましたが、あすから営業開始です。この正月休みには、手つかずだった店の書棚の整理を2日がかりでしました。同じ著者の本があちこちにあったり、ほとんどジャルン分けされずに無造作に棚に詰め込んだまま開店して、そのままでした。やはり古書店も兼ねていることを反省して、本の入れ替え、差し替えをして少しすっきりしました。まだ完ぺきからは程遠い状態ですが、見やすくなりました。食や自然、園芸、農業、山、詩歌、文学など大雑把なジャンルに分け、著者別にもしました。文庫を入れた段ボールも入り口前に置きました。このコーナーは2冊で100円です。本を目当てに来店されるかたは、開店当時に比べめっきり減りました。専業古書店のように古本だけに力を入れるわけにはいきませんが、本を少しずつ入れ替えながら、今年はやっていきます。本好きなかたのご来店を歓迎します。壊れた薪ストーブのガラスもきょう入れ替えできました。少しリニューアルして開店です。 今年もよろしくお願いいたします。
東日本大震災と福島の原発事故について、様々な本が出版されています。夏以降、その中から何冊か読んできました。その結果、新聞やテレビなどのマスコミが伝える情報では分からなかったことが少しずつ理解できてきました。その中でなんといっても怒りを覚えるのは、3.11の当日に原発は炉心溶融を起こし、放射性物質が漏れだしていたにもかかわらず、影響はないという発表を続け、住民避難を最優先にしなかった国や県、東電の姿です。原発の北西方面が特に放射能汚染されていることを知っていながら、飯舘村には知らされなかった事実は、衝撃的です。
特に印象に残った本は、たくきよしみつ著「裸のフクシマ」(講談社)、山本義隆の「福島の原発事故をめぐって」(みすず書房)、広河隆一「福島 原発と人びと」(岩波新書)です。
山本氏の本のなかで、強く印象に残った部分は、原子炉圧力容器の元設計者、田中三彦氏の以下の言葉です。
「組織のダイナミックスは人の心をある特有の状態に仕向ける。批判的な精神は意識下に降り、価値判断は停止し、組織の目的――原発をつくるということ――に向けて自己超越してしまう」
この言葉は、かつて大きな会社組織で働いたことがあるだけによく分かります。この組織とは、どんな会社や役所にも多かれ少なかれ当てはまると思います。
たくきよしみつ(鐸木能光)さんといえば、講談社ブルーバックスの「シンプルに使うパソコン術」などPC解説書で知っていましたが、福島県川内村に住んでいたとは。この本は事故発生直後からこれまでの動きが、現地に住んでいた人ならではのリアリティで迫ります。新聞やテレビが伝えていないなまなましい現実と真実に本を閉じることができなくなります。「収束」とはほど遠い原発汚染が続いていることを忘れるわけにはいきません。かつて福島に住み、自然豊かな阿武隈山地に魅せられた一人として、原発事故は許しがたい人災です。
最後に、境野米子さんの「病と闘うジュース」(創森社)をご紹介します。境野さんは、福島市在住の生活評論家、薬剤師です。福島に以前勤務していたとき懇意にさせていただきました。群馬出身という同郷でもあります。この本は、自然治癒力を劇的に高めるニンジンジュースについて、ご自身の体験を踏まえ書かれた本です。原発禍のなかで奮闘する境野さんへのエールを込めて、茶房ではフレッシュニンジンジュースをメニューに加えました。
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